2010.11.29~12.03.
ネパール
エベレスト街道 トレッキング【カラパタール編】
【10日目】 2010年11月29日 (月) 07:00起床
一度は折れた心も日に日に復活、結局カラパタールに行く方向で。チュクンから見るローツェの南壁も捨てがたいけど、やっぱり7年前と同じ軌跡を辿ってこそ何かが見えるのでは。
ディンボチェを出ると7年ぶりに見るクーンブ氷河が削ったU字谷が目の前に広がった。カナダで見るどんな谷よりも素晴らしいよ。間違いなく世界一美しい谷だと思う。
全く人に会わないので、この景色を独り占め。やっぱり途中で断念しなくて良かった。
カラパタールやエベレストBCに行くには谷底の村ペリチェ経由のトレッキングルートもあるけど、個人的にはディボチェから行くルートを薦めるね。トゥクラに向かって歩いているとチョラツェが徐々に近づいてきます。ゴーキョ側とは反対の北壁になるのでしょうか。ふもとの村トゥクラでランチ休憩。
1時間程モレーンを登る。直登気味でかなり辛い。上まであがると記念碑がたくさん。写真はエベレストの山頂に10回登頂した伝説のシェルパの記念碑。振り返るとチョラ峠へのトレイルが。本来はあそこから出てくるはずだったのですが、、、
その後、平坦な道を歩くとロブチェ到着。たまたまチェックインしたロッジは日本人宿状態。私以外に3名グループと1名の個人客が。個人で来ていた男性は単独で6189mのアイランドピークに登頂してきたらしい。すげー。久々に遅くまで語りあった。
【11日目】 2010年11月30日(火) 06:00起床
さすがに4930m。あまり寝れやしない。喉の渇きをいつも以上に感じる。しかも寒さで水も半分凍って飲めないし。しょうがないので早めに起床。部屋も、キッチンもクソ寒い。トイレに行ったら、桶に入った水も凍っていて流せず。ごめんなさい。
さて、本日はカラパタールに行く予定。前回はエベレストBCにも行ったのですが、そのためには標高5160mのゴラクシェプでの宿泊が必至。ビックリするくらい寒く辛く寝れない場所なので今回はパス。ちなみにベースキャンプからはエベレストは見れません。ただ、初めての人は行く価値ありです。足元から周りが全て氷河。貴重な体験になると思います。
重い荷物は宿に置かせてもらい出発。モレーンと山の間を歩きます。ゴラクシェプに物資を運んだ帰りでしょうか。ヤクの大群。進行方向の尖がった白い山はプモリ。いかした名前で前回もすぐに覚えたのですが「乙女の峰」という意味だそう。
その後、モレーンを登ったり下ったり。荷物が少ないとはいえ、すでに標高5000mを越えているので悲しいほどツライ。気がつくとすでに2時間経過。ここで目指すカラパタールが見えてきました。茶色い土砂の上の黒い所。いやーあんな場所だったけかなー。
昼食をゴラクシェプの宿で 。前回はカラパタールから夕日に染まるエベレストを見たくて2泊(しかも天候不良で夕日は見れず)。2泊目は予約していた団体客が押し寄せ、客であるにも関わらず個人部屋からシェルパとの団体部屋へ強制移送。ただでさえ少ない酸素を20名程で奪い合うので、吸っても吸っても二酸化炭素オンリーで頭がカチ割れるそうになる。
5000mを越える高地でサッカーをしているシェルパの少年達を尻目に、カラパタールに向かうトレイルへ。前回は朝日を見るため暗闇の中ヘッドライトで登ったわけですが、朝は逆光でエベレストに日が当たりません。写真を撮る人なら午後がおすすめ。
前回は日も出てない時間だったので、登っている最中は寒くて寒くて。昼の方が断然に体感温度が高くてナイス。景色を楽しみながら歩けます。「ヌプツェ」もすぐそこに見え、山頂から左側奥に黒い山が徐々に姿を現す。今回二度目のエベレスト登場。
まだゴール前ですが
世界最高峰の標高8848m「エベレスト」がはっきりと見えます。左下のクーンブ氷河の辺りがエベレストBC。あそこからキャンプを張ってエベレストの山頂を目指すわけです。少し前に登山家の栗城さんが単独無酸素で山頂を目指していたそう。
一般人ではこの時点で吐きそうなのに。2011年もチャレンジしてましたね。さて、目指すゴールはもう少し。黒い岩が積み重なった所がカラパタール。ゴラクシェプを出てから2時間、エベレスト街道トレッキングの最高地点、標高5545mカラパタールに到着。2003年の11月1日以来の登頂です。
まさかこの場所にまた来れるなんて数ヶ月前まで思ってもいませんでした。いつかはと思ってはいたけど他にもたくさん行きたい場所はあるし。同じカナダの町に住む友人の相談にのっているうちに、自分が行きたくなってしまったわけです。本来の目的であったチョラ峠を越える事はできませんでしたが、何とかゴーキョとカラパタールには来れました。全体的に天候にも恵まれ感無量。
2003年当時と比べると仕事がら山や氷河の知識があったので単独でも色々と楽しめましたし。下の写真は7年前よく分からずに、ここまで来てしまったフォト。同じような出で立ちですが、黒いパンツだけ同じもの。これだけ穿けば本望でしょう。その後、カトマンズにて廃棄処分。
カラパタールからはエベレスト、ヌプツェ、アマダブラム、クーンブ氷河が一望できます。ゴーキョピークに比べると山が近い分迫力がありますな。1時間ほど滞在し思う存分写真撮影。ロブチェまで戻る途中では突風が吹き荒れ、水の入ったチューブが凍り始める。目的も果たし、こんな寒いにはいたくないので荷物をピックアップしトゥクラまで一気に下山し1泊。
【12日目】 2010年12月1日(水) 07:00起床
人間は目的が達成されると1秒でも早く現実に戻りたいのでしょうか。とにかく早く旨い飯をくいたいので、日も上がらないうちからトゥクラを出発。気合でナムチェまで下る予定。
意気込んで外にでると思った以上に寒い。指が切れそうな中、クーンブ谷を駆け下りる。7年前は1泊したペリチェですが、今日はスルー。明るい内にナムチェに到着するには油を売っている時間なんてありません。写真もそこそこに先を急ぎます。
午後1時前にテンボチェに到着。この村には何とベーカリーがあります。さっそくご当地バーガーとカフェラテをいただく。何の肉か知らんがウメー。体力も回復しすぐに出発。この村には大きなゴンパもあるりますが、寄ってる時間なんてありません。
村の出口の門には曼荼羅を見たら一気に600mの下り。かなり膝にきます。そっからまた400mの登り。ここで予想以上に体力を奪われる。キャンズマを過ぎた頃にはかなり暗くなってきた。左の谷は絶壁だし焦りだす。完全に日が落ちた時ナムチェ到着。
ぎりぎりセーフ。しかし疲れた。持っていたロンプラ(ガイドブック)曰く3日の行程を一日で来たわけですから。そりゃしょうがない。行きにwifiを使わせてくれたブッディー君の親戚が経営してるラサGHに宿泊。しかし、飯まずいわ充電有料だわ。いまいち。
【13日目】 2010年12月2日(木) 08:00起床
昨日の疲れか起きたら8時過ぎ。慌てて明日のルクラ発カトマンズ行きのチケットを$115で購入。カトマンズと同じ値段。予め往復を買って日付変更もできますが、電話や携帯が通じない村だと色々面倒。繁忙期以外なら片道づつ購入が正解。
事前購入した場合はルクラの村で必要な前日のフライトのリコンファームですが、前日買いだから大丈夫だろうと本日はペースダウン。往路はルクラ~ナムチェ間の天気もいまいちだったので、快晴の今日は写真撮影を楽しみながらのトレッキング。今日でエベレスト街道のトレッキングが終わってしまうと思うと何だか悲しい。そして昨日の今頃はカラパタールにいたのが信じられない。いつの間にか7000~8000級の山もなくなり、緑が生い茂っています。ガートを抜けると登りがスタート。7年前はこの辺りから太ももが張り裂けそうになったけ。
快調に進み最後のセクションにさしかかる。森の中から地元女子校生が現れ、次々と抜かされていく。ここが通学路とは毎日がトレッキングとは恐るべし。夕方4時20分ルクラに到着。念のため航空会社のオフィスにリコンファームに行ったら閉店中。4時でクローズだったらしい。
【14日目】 2010年12月3日(金) 06:00起床
本日はやっとカトマンズに帰れる日。張り切って早めにチェックインに行くと、リコンファームしてないからと完全に後回し。1時間以上の放置プレーをくらう。昨日買ったチケットを昨日リコンファームってどんなシステムだ。
アピールにアピールを重ね、ようやく搭乗券をゲット。
カトマンズに行けば和食レストランで日本風のカレー食える。都会だー。14日間のトレッキングで一番テンションが上がったのは、飛行機が離陸した瞬間かもしれない。
終わってみればあっという間の2週間。行きも帰りも飛行機のキャンセルがなく、天候にも恵まれ最高のトレッキングとなりました。峠越えができなかったという点はありますが、今こうして無事でいる事が何よりです。そして、今回の新たな目標もできました。チョラ峠、レンジョ峠、コングラ峠という3つの峠を越えゴーキョピーク、カラパタール行くコース。トレッキング中にこの「スリーパス」というこのコースにチャレンジしている人が意外といました。もし、またエベレスト街道のトレッキングに来れたら、今度は現地ガイドを雇って峠越えを目指します。